住宅ローンの審査

失敗なく上手に住宅ローンの申込をする方法(その2)

前の記事で、住宅ローンの申込については基本的には、まず1行に絞って事前審査の申し込みをする方がいいということを書きました。
↓失敗なく上手に住宅ローンの申込をする方法(その1)を見てみてください。

今回はその理由について、紹介していきたいと思います。

住宅ローンの事前審査について

住宅ローンの審査は一般的には、事前審査と本審査と2段階になっています。
事前審査で仮ではありますが、大まかな融資条件が決まり、最終的に本審査で必要書類の原本などを提出して、融資を確定させる流れになります。
(この流れについては、別の記事で紹介していますので参照してください。)

この流れになると、事前審査の準備から住宅ローンの融資を受けるまで数週間程度、審査内容に質問や追加書類の提出などがあった場合は1ヶ月程度かかる場合があります。そのため、住宅の購入は余裕を持って手続きを行わないといけません。

複数の金融機関に住宅ローンを申込する理由

複数の金融機関に審査の申込をしたいと思っている人は、いくつかの理由が考えられます。
例えば・・・

  1. 融資条件をより良くしたい
  2. 審査に通るのか不安
  3. 急いでいるので、早く通るところで借入をしたい

それぞれの項目について検証してみたいと思います。

融資条件をより良くしたい

「融資条件がいい」とは、いろいろなものを言います。貸出金利が少しでも低い、連帯保証人が不要、借入期間が長い、保険(団体信用生命保険など)の内容がいいなど・・・人それぞれです。

各金融機関によって、商品内容が異なりますし、審査目線も異なります。
そのため、複数の金融機関に申込をして出た審査結果は、それぞれ内容が異なることがあります。

住宅ローンを借りたい側からすると、各金融機関から出た回答から比較検討して最終決定したいと考えることでしょう。

審査が通るのか不安

家を購入するとなると、ほとんどの人が住宅ローンを必要としています。
逆に言うと、住宅ローンの利用ができないと家を購入することができないと言うことです。

家を購入する理由は、色々あります。「結婚をする」「家族が増え、家が手狭になった」「子供が大きくなり、部屋が手狭になった」「2世帯住宅で親の面倒を見る」「賃貸住宅に住むより、自分の家が欲しい」など・・・

家を買うには、さまざまな理由がありますが、心配事となると「住宅ローンは通るのか?」と言うことでしょう。ローンが通らないとなると、結婚相手、家族などに対して自分の立場が悪くなってしまう(ローンが通らない=信用のない人)・・・そう思えてきてしまいます。そういった状況から、確実にローンを通したいという思いから「複数の金融機関に申込をすれば、借りられる確率が高くなる」と考えることでしょう。

更にマイカーローン、教育ローン、フリーローンなど既に借入がある場合には、審査が通るのか一層不安になってくると思います。

急いでいるので、早く審査の通るところで借入をしたい

「『急きょ引っ越しが決まって家を探す必要がある』『結婚するので新居が必要』など、何らかの事情で家が必要となり、急いで購入することとなったため住宅ローンの申込をする必要が出てきた」とか、「色々と準備はしていたが、住宅ローンの申込をするのが遅くなって結局急ぐ必要が出てきた」・・・などが考えられそうです。

基本的には、急いで家を探す場合でも、しっかり家の状態や周辺環境などを見極める必要があります。家を買うというのは一生のうちでもそう何度もあることではありません。後で後悔することの無いようにしたいものです。

住宅ローンについてもそうです。しっかりと金融機関を選ぶ、または、不動産業者の担当者がいるのであれば、ローンの申込についてしっかり相談することです。(色々な金融機関に対して、申込の手続きを手伝だった実績のある信頼のできる担当者であれば、しっかりと対応してくれると思いますが、それでも丸投げをしないようにすることが大切です。どうしてその銀行を選ぶのかという事をしっかり確認をしていきましょう。)

住宅ローンの複数同時申込はあり?なし?

これまでに書いた通り、手っ取り早く住宅ローンの手続きを済ませたいと考えるのなら、複数同時にたくさんの金融機関に申込をした方がよさそうな感じがします。

しかし、私個人の意見になりますが、

住宅ローンの審査は複数同時に金融機関に申込をすることはお勧めできません。
「あり」か「なし」かという事であれば、答えは「なし」になります。

よっぽど特別な事情がない限り、複数同時に審査申込をしないようにしましょう。それは、事前審査であってもです。

複数同時申込をするとどうなるのか?

住宅ローンの(事前)審査の申込をすると「個人信用情報」に登録されます。
各金融機関から登録されるので、申込をした件数分が個人信用情報に登録されることになります。そして、審査担当者は判断材料の一つとして「登録された個人信用情報」を利用します。

つまり、住宅ローンの申込について他行にも申込をしていることが分かります。
そうなると金融機関の審査担当者は、「なぜ、複数の金融機関に申込をしたのか?何か訳ありではないか?」という疑念を抱かれてしまうのです。

そして、審査担当者は「他行で審査が通らなかったので、当行に申込にきたのではないか?」「当行では把握できていないネガティブ情報があって、他行で断られているのではないか?」という目線で審査されてしまうことがあるのです。

もちろん、単純にそれだけでは「審査NG」(審査が通らない・審査に落ちる)という事はないと思いますが、「他の借入が多い」、「過去において延滞の実績がある」、「年収が低い」、「勤続年数が短い」など審査にとって複数の不利な条件と重なって良くない印象を持たれてしまうと「総合的判断」ということで、審査が通らないこともあり得るのです。

仮に、審査が否決となるような要件がなくても「複数の金融機関に申込をしているのなら、他の銀行へ行くかもしれない」と思われるとそれ程身が入らなくなります。

実際、金融機関の窓口で「ローンの申込をします。よろしくお願いします。」と書類の提出をして、受付をした担当者が「頑張ろうと思った」のに複数の金融機関に申込をしていることが個人信用情報で分かったら、興醒めになるのは人として当然の心理だと思います。

そうなれば、審査はOKになっても、上客でもない限り有利な融資条件で借入ができるかは分かりません。

金融機関の担当者が嫌がる案件・・・

各金融機関に同じタイミングで同じ金額・条件等で申込をしているのならまだマシなのですが、金額など内容を変更したりしながら各金融機関に申込をすると更に印象が悪くなってしまうこともあり得ます。どちらかというとローンの担当者は「こういった案件はあまりやりたくない」のです。

金額を増額した場合には、「住宅の購入やローンの借り入れに対して計画性がない」と判断されてしまいますし、減額をして申込をするのなら「他の金融機関では通らなかったために、金額を減らして申込をしてきたのだな」と思われます。
特に時間が経てば経つほど、そのような印象を持たれかねないのです。

住宅ローンの審査で担当者に良い印象を持ってもらうために、神経質になる必要は全くありませんが、上に書いたような行動は疑われるような行為となり返って審査に影響が出てくることがあるので注意が必要です。

とは言っても、住宅ローンは長期で高額な借金であることには間違いありません。もし複数の金融機関に申込をしたいのならば、上手な申込の方法があります。上手に申込をすればより有利な融資条件を得られることになるかも知れません。

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