よく相談があるのは、「私の年収なら、いくらくらい借りられるのでしょうか?」といったような種類のものです。いくらくらいまでなら住宅ローンの借入ができるのか?つまり借入限度額が知りたいということですね。
もちろんいくらまで借りられるのかを考えないと、予算が立てられないので目安が知りたいという気持ちはよくわかります。
借入限度額は目安にはならない
単純に計算してしまえば、各銀行のパンフレットなどの商品案内をみれば、年収に対する借入比率を見ればおおよその借入額が導き出せる事は可能でしょう。
審査上では、返済比率で借入負担、その他に問題がなければ審査はOKということになるでしょう。でも住宅ローンを組んだ後に生活が苦しくなることがあるのです。
銀行で審査が通ったのだから返していけるはずなのに・・・
しかしそうは単純にはいかないものです。銀行では一律で返済負担を審査しますが、個々のライフプランまでは考慮されていないのです。というよりもむしろ考慮することができないのです。
住宅ローンを組む前に考えておかなければいけない事
借入限度額は住宅ローンが組める最大の金額であって、あなた個人の最適の金額ではない
ということです。
あまりよく考えずに、不動産業者や銀行員に任せたまま住宅ローンを組んでしまって、住宅ローン貧乏になったり、老後に多くの負債を残して破綻してしまうことのないように、返済計画はライフプランに合わせて立てていく必要があります。
月々いくらなら払っていけるのか、そして住宅ローンとはどのような仕組みのものなのかを確認しておく必要があります。
私がなぜこのような記事を書いているのかというと、銀行員時代に住宅ローンにまつわる沢山の体験をしてきたからに他なりません。
住宅ローンを借りられて、とてもとても感謝されたことも沢山ありますが、その一方で家族と大切な時間を過ごすための住宅が、無計画な住宅ローンのために、人生を台無しにしてしまうこともあるのです。
突然、勤めていた会社が倒産した」「大きな病気で長期の入院が必要になって仕事ができなくなった」「交通事故で大怪我をして、今の仕事ができなくなった」など不慮の事情もあるかもしれませんが、そういった特別な事情ではなく、
「返済をするのが厳しくなった」と普通に相談に来ることもあり『どうしてこんなに住宅ローンを目一杯(借入限度額)で借りたのだろう?』と思えるようなこともあります。
「住宅ローン」といっても、購入する自宅を担保にした高額な借金であることには変わりは無いのです。
住宅ローンの仕組みを理解して、返済の計画をしっかりと立てていく事をお勧めします。
住宅ローン・住宅購入は大きなライフイベント
住宅ローンの審査上の判断ではOKでも、個人的なライフプランでは実際は返済が苦しくなる場合もあります。
なぜなら、住宅ローンの商品規格として一律には問題なくても個人的なレベルでは家族の生活スタイルを考慮した返済を考えておく必要もあります。
さすがに銀行員や不動産業者でも、住宅ローンの審査だけでライフプランの考慮まですることができません。
住宅の購入は一瞬ですが、ローンの支払は超長期です。成人してから死ぬまでの人生で稼ぐお金の一部を、ローンの返済に当てるのです。人生の大半の期間がローンの返済となります。それくらい大きなライフイベントなのです。
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