住宅ローンの借り換えを検討する前に【ちょっとしたコツ】

現在借り入れをしている銀行に相談に行くと場合によっては、今組んでいる金利の引き下げを検討してくれる場合があります。

今まで借り入れしてくれていた顧客が、よその銀行へ行ってしまうくらいなら金利を下げてでも、借りていてくれた方がいいと考えることがあります。

あくまでもうまくいけば検討してもらえるということです。必ず金利を引き下げてくれるわけではありません。

金利を引き下げてくれた場合のメリット

今借りている銀行で金利を引き下げてくれた場合は、他の金融機関(銀行)へ借り換えをした場合と違って、以下のようなメリットがあります。

  • 他の銀行で借り換えをする手間がない。
  • 保証料や登記費用など余計な費用が発生しない

つまり、借り換えは他の銀行でもう一度住宅ローンを組み替えることになります。仮審査の申し込みから始めて、仮審査がOKとなれば、本審査〜金銭消費貸借契約〜抵当権の新規設定と旧の抵当権(現状で借りている住宅ローン)の抹消登記をする必要があるので、一通り手続きをしないといけなくなります。

そして、これらの手続きにかかる諸費用(保証料・手数料、印紙代、登記関係費用(新規設定、抹消、司法書士報酬など)が必要になります。借り換えにはこれらの費用を含んで借り入れることもできます。

金利引き下げの注意点は2つあります

  1. 金利引き下げ後の返済額について → 金利を引き下げただけでは、返済額はすぐには変わらないこと
  2. 引き下げ金利について → 金利をどこまで下げてくれるのか

ということです。

1.金利引き下げ後の返済額について

これは、住宅ローンの返済の仕組みが基本的には、変動金利であれば5年に1回のサイクルで返済額の見直しがあるからです。

つまり返済額の見直しのサイクルが来ない限りは、金利が引き下げになっても返済額は変わらないのです。(5年ルール)

見直し時期が来ないと、返済額は変わりません。金利変更をしたので返済額の内訳が金利の見直しにより、利息部分が減少し元金部分が増加して返済額は変わらないこととなるのが、一般的です。(元利均等返済の場合)

最近では、変動金利と言っても金利自体が超低金利になっていて、ベースとなる基準金利が引き下げになる事がほとんどありません。金利の見直し時期になっても、変更前の金利と変更後の金利が同じになっている事が多いのです。

ですので結果として、変動金利なのに金利変更の時期がきても金利が変更されていない(前と変わっていない)ことがよくあります。

例えば、5年サイクルの途中(3年目など)で、金利の見直しをすると、5年サイクル残りの期間中は返済額は変わりません。元金と利息の内訳のみが変更となります(利息部分が減って、元金部分が増えて合計では月々の返済額は同じ)。

返済額も同時に見直しをするなら、他の銀行に借り換えをする必要があるのです。(現在借り入れをしている銀行で、借り換えをすることはできないのが一般的です。)

⒉引き下げ金利について

現在借りている銀行(金融機関)で金利を引き下げしてもらうならば、どれくらいにしてもらえるのかが気になるところです。

このあたりの内容については、実際、銀行(金融機関)との交渉になってきます。

現実的な話をすると、銀行(金融機関)にとってみれば、『他行へ行かないように金利を下げたいが、なるべく金利の引き下げ幅は、押さえて少しでも高くしておきたい』というのが実際のところです。

借りている側にとってみれば、『目一杯金利を下げて欲しい』ところです。

こういったそれぞれの思惑があるなかでの交渉になります。ですので、交渉をする前に事前に準備をしておいた方がいいことを紹介します。

【その1】 何か取引をできるものを事前に考えておく

住宅ローンを組むということは、通常メインバンクとしてその銀行を利用するということです。

利用できていないものがあれば、それらに加入することを考えます。つまり「金利を下げてくれるなら、〇〇を申し込みをします」ということです。

例えば、給与振込、クレジットカード、デビットカード、投資信託、定期預金、積立、公共料金の引き落とし、インターネットバンキング、税金の引き落とし・・・など

他行でやっているものがあれば、「切替」や「預け替え」をします。クレジットカードなどは年会費など費用がかかるものもあります。これらは年会費無料の条件があればそれを確認しておきます。もし費用がかかっても、金利引き下げの方がメリットが大きい場合は加入を検討してもいいと思います。

引き下げの効果が大きいのは、その銀行の支店や窓口担当者のノルマに合致するものです。(例えば、今月はクレジットカードの獲得があと◯◯件残っている・・・などという場合です)

銀行によりますが、通常担当者にノルマが割り振られている場合があります。担当者ももちろん人ですので、ノルマが達成できるのなら、頑張ってくれることでしょう。

【その2】妥協点を考えておく

金利の引き下げは交渉事ですので、必ずしも思うような金利に引き下げになるとは限りませんし、新規の住宅ローンと同じ水準まで下げてくれるとも限りません。

つまり、ある程度は下げてくれるかもしれませんが、もしかすると最下限まで下げてくれないかもしれません。

そうなったときに『どこまでだったら妥協するのか』を考えておきましょう。

それでも思うようにならなかったときには、他行へ借り換えを進めるということも考えます。

金利を引き下げるために絶対にやってはいけない事

金利引き下げの交渉、借り換えを円滑に進めるために絶対にやってはいけないことがあります。

それは預金口座の残高不足です。

住宅ローンの返済はもちろん、クレジットカードやその他のローン、公共料金や税金などの引き落としができていることが、最低限の条件です。残高不足で引き落としができないことが過去にあればあるほど、金利の引き下げは難しくなります。

なぜなら支払いの状況が悪いほど、良い取引をしているとは言えないのです。支払い状況が悪ければ、今後住宅ローンは延滞する可能性も出てきますし、そうでなくともお金の管理がルーズな人に優遇はできないものです。

そして、金利の引き下げができなくて、他行へ借り換えをするといっても、延滞や支払い状況が悪いようであれば、借り換えの審査も通らないことになるでしょう。

つまり、現在利用している銀行で住宅ローンの金利を引き下げしてもらう場合も、他行へ借り換えをしてもらう場合も、支払状況の確認は必須なので、残高不足にならないように日頃から口座残高の管理は大切なのです。

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