住宅ローンの金利の種類は、大きく分けて固定金利・変動金利・固定金利選択型変動金利があります。
「どれが一番得ですか?」とよく質問があるのですが、どれが得かは一概には言えません。ただそれぞれの金利の特徴(長所・短所)があるだけです。一度住宅ローンを組んだら終わりではなく、状況に応じて組み替えて検討するなど見直しをする必要があります。
固定金利
言葉の通り、金利が固定され完済まで金利が変更されません。金利が変わらないので返済額が安定しているというメリットがあります。
一部繰り上げ返済や一括返済などの際に手数料が高くないか、違約金がかからないかもチェックしておきましょう。
一般的には変動金利の方が固定金利よりも金利が低い傾向にあります。
そして現在の景気のように低調な状況においては、変動金利といっても低い金利のままでほとんど動いていないので、固定金利の水準を下回ったままになっています。
固定金利は、金利上昇局面において固定金利にしておくと金利が上昇しない分返済負担が増えないのでメリットがありますが、金利が上昇しない状態では変動金利の方が結果的には、支払が安かったということもあり得ます。
ずっと金利が動かないという安心感はあるのは間違いありません。
しかし、一度組んだ固定金利の住宅ローンでも他の金融機関で見直しを検討すると、返済負担が軽減される場合がありますから、固定金利で住宅ローンを組んだからメンテナンスフリー(見直し不要)ということはありません。
- 固定金利 → 固定金利 に借り換え
- 固定金利 → 変動金利 に借り換え
景気変動の可能性も考えながら、このままでいいのか、他に条件のいい住宅ローンはないか、定期的にチェックする事をおすすめします。
*固定金利はローン商品として決まっている事が多いので、金利引き下げ交渉というよりも借り換えをするパターンの方が多いと思います。
変動金利
金利の見直しが一定のサイクルであるのですが、「毎月見直しがあっていくら返済したらいいのか分からなくなる?」「金利が急上昇したらどうなるのか不安」と考えてしまうかも知れません。むしろ、「なんかややこしそうであまり考えた事がない」「銀行に行ったらそれしかないからそのまま組んでいる」という人の方が多いかも知れません。
住宅ローンの金利が変動する仕組みを理解しましょう。
- 金利の見直しは、半年に一度。
- そして返済額の見直しは5年一度、1.25倍ルール
が一般的な金融機関の変動金利型の住宅ローン(元利均等返済)です。
つまり、半年に一度金利の見直しにより金利が変動する場合は元金と利息の内訳が変更されて、実際の支払額は5年に一度しか変更されません。
固定金利選択型変動金利
基本は変動金利です。途中で一定期間の固定金利を設定する事ができます。
一般的な銀行で取り扱われているのがこのタイプの住宅ローンです。
固定金利の期間は金融機関によって様々ですが、2年・3年・5年・7年・10年などその期間を選択するとその期間は金利は変動しません。
状況に応じて、一定期間だけ金利を固定にすることができます。
- 固定金利選択の都度手数料が必要
- 一度選択した固定金利は、原則期間の途中でキャンセルできない。
- 固定金利選択期間での一部繰り上げ返済・一括返済には、手数料が高い。
- 固定金利終了時は、変動金利の1.25倍ルールは適用されない。
特に4番目については、変動金利の5年サイクルの返済額の見直しには1.25倍ルールがありますが、固定金利が終了し変動金利型になっても1.25倍ルールは適用されません。
選択型固定金利が終了した場合の例
例えば、10年固定金利を選択していて、10年後固定金利期間が終了すると終了時点の変動金利になります。当時(10年前)の水準で固定金利を選択したので、10年間金利が動かない(固定金利)のですが、その間に景気の動向などで金利が上昇していたら、その変動金利の水準での支払い開始となります。つまり固定期間終了後の変動金利での支払額が以前の固定金利での支払額の1.25倍以上になっても、調整はされないということです。
固定金利終了後に急激に金利が上昇していた場合でも調整なしで、支払いをしないといけないのです。ちょっと怖い気持ちになりますが、考えてみると、もしこの場合なら、変動金利が上昇している局面でも固定金利を選択していたので、固定期間中は支払額が増えずに済んだということになります。
でも、金利が上昇したら支払額が増えることには間違いないので、それに対する備えが大切です。
- 住宅ローンは長期の借入なので、金利が上昇する可能性があり、そうなれば支払負担は増える可能性があるので、最初から余裕を持って返済計画を立てる。
- 固定金利期間中だからといって金利の動向をチェックしないというのは、危険です。もし今、変動金利に戻ったら、支払負担はどうなるのかという感覚で動向をチェックしましょう。
- 年に1回程度は、他の金融機関の住宅ローンの商品内容を確認して、金利が低いものに借り換えできないか考えておくようにしましょう。(必ず借り換えをする必要はありませんが、住宅ローンの動向を知っておくことが重要です。)
住宅ローンの金利選びで損をしてしまう人とは
どの金利を選ぶのかも大切なのですが、それは支払いの負担が少ない、家計にとって無理がないのであれば、その選択がベストな金利の選択です。
つまり、固定金利であれ変動金利であれ、また固定金利選択型であれ、無理なく自分に合ったものであれば、それでいいのです。
意外かもしれませんが、どの金利が一番いいのかを判定するのは難しいのです。それぞれの金利タイプにはメリットもデメリットもあるので、未来は予測できないので一概には言えないのです。
ですので、支払しやすく無理がなければ良しとしましょう。
損をする人は、実は定期的に金利の見直しをチェックしていない人なのです。
35年間の長期の住宅ローンで一度も見直しをせず、10年とか20年とか組み続けている人が割といます。長く組んでいると情勢が変わっているので、銀行の商品内容も変わってきているはずです。
定期的に住宅ローンの金利情勢商品内容をチェックして、条件が合えば借り換えをしていくことがポイントです。
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