私たちの生活で、すでに様々なものが値上がりを始めています。
特に食料品の値上がりは顕著になってきています。値段が据え置きになっているものもありますが、よくみると内容量が減ってることもよくあります。
実質的な値上げです。
外食にしてもそうです。今までと同じものを同じ料金で食べることはできなくなってきています。
為替も円安傾向なので、輸入コストが増加しているので燃料も高くなり、配送コストや光熱費も影響を受けます。そうなれば色々なサービスも値上げとなります。
様々なモノ・サービスの値段が徐々に上がってきても、給与はそんなにすぐには上昇してこないので、家計にじわじわと影響が出てきます。
つまり、出費は増えてくるけど収入はなかなか増えてこない状態が続くことになります。
しかしこれら物価の影響は大きな問題ではありません。
住宅ローンの金利上昇による影響に比べれば・・・
変動金利型住宅ローンへの影響は?
住宅ローンの契約をしている人のほとんどが、民間の金融機関で借入をしているはずです。つまり固定金利選択型の変動金利の住宅ローンを組んでいると思います。
ですから金利は今後変動する可能性があります。
でも実際、住宅ローンを組んでいる人で、これまで金利が変動した経験があまりないのではないでしょうか?
あったとしても、ほんの僅かな金利の変更があるくらいで、家計に影響が出るくらい住宅ローンの返済額が変わってしまった人は少ないのではないでしょうか?
実際、住宅ローンは年収の30%程度を返済に充てている人が多く(返済比率)、税引き後の手取り年収で考えた場合は、負担はもっと大きいはずです。金利が上昇すればさらにその負担が大きくなってくるのです。
「なぜ!?」変動金利なのに、今まで影響が少なかった理由
今まで住宅ローンの返済で、「返済額が変更となって家計負担が変わってしまった」という実感がない理由は主に2つ考えられます。
それは・・・
- 金利の見直しと返済額見直しのサイクルはそれぞれ異なる
- 日本はずっと、景気が低迷している
ということが考えられます。
金利の見直しと返済額見直しのサイクル
固定金利選択型の変動金利では、変動金利の見直しは半年に1回となります。
金融機関によってその時期は異なりますが、半年毎に金利が決まります。
しかし、金利は変動してもすぐに返済額そのものは変化しないのです。
金利が変動すると、まずは返済額は変わらずに、元金と利息の内訳が変わるだけなので毎月の支払額は変わらないのです。そして、5年に1回返済額が変更となります。
つまり、半年サイクルでは金利が変わっているけど、支払額が変わっていないので、実感がないということが考えられます。
詳細は下の記事で解説をしていますので、チェックしてみてください。
日本はずっと景気が低迷している
「失われた30年」と言われることもあるくらい、日本の景気は低迷しています。
実際、他の先進国では景気・給与水準はどんどん上昇しています。日本だけが取り残されている状態となっているのです。
景気回復策として、低金利政策をとって貸出を増やして世の中のお金の流れをよくしようと考えての策ではありますが、景気は回復せずずっと低金利の状態が続いています。
住宅ローンの金利も低金利のままの水準が続いています。これ以上下がることが無いか実感できないくらいの僅かな変動レベルです。変動金利で契約していることを忘れてしまうくらい返済額がほとんど変わらないの水準で推移しているのです。
今、トレンドが変わりはじめた・・・
上で書いたように、物価が上昇しはじめているので、今までの失われた30年の中での動きとはちょっと変わってきたようには感じます。
しかし、物価水準がどのくらいの期間でどこまで上昇するのかは、わかりません。上昇し続けるかも知れませんし、途中で止まったり、元の水準に戻ったりするかも分かりません。
ただ、現状では金利を早急に積極的に引き上げをすることとなると、住宅ローンだけではなく、各企業も借入金の負担が大きくなりますし、コロナの影響もある状態ですから景気回復がさらに遅れてしまう懸念もあります。
また、金融機関も企業ですから、他行に先駆けて金利を引き上げすると顧客が借り換えをして、他行へ逃げてしまうことも考えられます。
そういった観点からすると各金融機関は、上げるとしても当面は様子を見ながら徐々に金利を引き上げるのではないかと考えます。つまり金利を引き上げてもそれほど大きな影響がない程度に・・・
今からできる!金利上昇に対する対策4つ
これからの金利の上昇に備えて、今からできる対策を挙げます。
どれも実効性があるものですから、ぜひ検討してみてくだい。
- 他の金融機関に借り換え(変動金利→変動金利)
- 選択型固定金利を利用する
- 固定金利に借り換え(変動金利→固定金利)
- 一部繰上げ返済
他の金融機関に借り換え(変動金利→変動金利)
ほどんどの人が固定金利選択型の変動金利で契約をしていることは、上で書いた通りです。住宅ローンの金利上昇対策として他の金融機関に借り換えをすることで今の契約をしている金利を引き下げをするという方法です。
この方法では、金利の上昇自体は許容することになるのですが、元々の契約金利を引き下げることで、支払い負担を改善させるのです。
他の金融機関で現状と似たような商品で組み直すことになるので、感覚的にも分かりやすく、現状の低金利のメリットを享受することができます。
それなら、固定金利に借り換えをした方が良いのでは?と考えることになるのですが、固定金利に借り換えをすると現状より金利は高くなると思います(詳細は下の項目を参照してくだい)
選択型固定金利を利用する
この場合は、他の金融機関へ組み直しをするのではなく、現状の契約をしている住宅ローンに付随している特約を利用する方法です。
各金融機関によって異なりますが、一定期間の固定金利(2年もの金利、3年もの金利、5年もの金利、10年もの金利など)を手数料を払って選択することができます。
一般的に期間が長い程、金利が高い傾向にあります。
変動金利<2年<3年<5年<10年・・・
固定金利期間中の取扱いについて注意点としては、一部繰上げ返済は変動金利期間中よりも手数料が高くなりますし、途中で固定金利をやめることはできません。
固定金利に借り換え(変動金利→固定金利)
変動金利から(全期間)固定金利へ切り替える方法です。
金利の上昇が予想されるなら全期間で金利が変動しない方が良さそうです。
全期間金利が変わらないことから、変動金利よりも金利が高い傾向にあります。
現状の支払金利よりも多少高くなったとしても金利が動かない方が安心。という人に向いています。借り換えをするときの住宅ローンの期間と金利を十分考えた上での取り組みとなります。
なぜなら、変動金利の方が固定金利より低いので、金利の動向によっては「変動金利の方が総支払額が安かった・・・」なんてことも考えられるからです。
事実、金利上昇が嫌なので固定金利で契約をしたが、長い間金利上昇することがなかったので、「変動金利を選択していれば余分な金利を支払わずに済んだのに・・・」と思っている人も少なくは無いようです。
固定金を選択する場合は、金利の損得よりも金利上昇リスクを抑えること・返済額を完済まで一定にさせたい人に向いています。
一部繰上げ返済
繰上げ返済をすれば、その分利息がかからなくなります。
金利上昇のリスクを回避する一番の方法は、利息を払わないことになります。
つまり繰上げ返済をすれば、その金額分だけ利息負担が掛からなくなるので、金利負担のリスクが回避できます。
一部繰上げ返済には、返済額軽減型と期間短縮型があります。期間短縮をする方が住宅ローンを早く完済できるので、返済額軽減型よりも金利負担は小さくなります。
一部繰上げ返済で注意すべきポイントは、繰上げ返済手数料がかかるのかどうかです。マメに繰上げ返済をすることを考えるかも知れませんが、その分の手数料がかかってしまうのであれば、対策をする必要があります。
その対策とは、「費用がかからない方法がないのか・・・」を探すことです。
金融機関によって異なりますが、店頭で一部繰上げ返済をすると手数料が必要ですが、インターネットで返済をすると無料ということもあります。何らかの方法がないのかを金融機関のホームページや担当者に問い合わせてみましょう。
もし一部繰上げ返済手数料が必要であれば、2〜3回分をまとめて1回で返済するなどの工夫をしましょう。
なお、一部繰上げ返済については、「向いている人」と「向いていない人」があります。つまり、誰でもおすすめというわけではありません。それがなぜなのかは別の記事で書きたいと思います。
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