住宅ローンは家計のなかでもかなりのウエイトを占めます

住宅ローン、固定金利上げ→対策どうする?

いろいろなモノの値段が上昇してきているなか、とうとう住宅ローンの金利も動き出しました。

まずは固定型の金利が上昇ということで、固定金利選択型の固定金利部分について金利上昇が予定されています。

大手5行、住宅ローン金利上げ=1月、0.1~0.34%
大手銀行5行は30日、2023年1月の住宅ローン金利を発表した。日銀による金融緩和策の修正に伴って長期金利が上昇したことを踏まえ、代表的な固定期間10年の基準金利を全行が引き上げた。引き上げ幅は0.10~0.34%。三菱UFJ銀行は・・・

時事エクイティより

今のところは大手銀行つまりメガバンク(みずほ銀行、三井住友銀、三菱UFJ銀行、りそな銀行)と三井住友信託銀行の住宅ローンで10年固定の金利が最優遇後で1%台となる予定。いずれは地方銀行や信金などの各金融機関も金利を上げてくることでしょう。少なくとも、この状況下では金利を下げてくるということはないと思います。

物価上昇の傾向から考えても「近い将来金利は上昇する」ということが予想されていましたから・・・

そして、固定金利の次は、いよいよ変動金利になるでしょう。
もちろん「どのタイミングで」「どれくらい上昇するのか」については分かりませんが・・・
通常の住宅ローンでは、金利の見直しサイクルがありますので、急激に金利が上昇することはなさそうですし、返済額についても見直しがあった場合の上限額が決まっていますが(紹介ページを参照)一度、自分の住宅ローンがどのような契約をしているのかを確認してみてください。

金利の上昇でどんな影響を受けるのか

いずれにしても金利が上昇することは、間違いありません。
金利が上昇すれば、家計はどれくらい負担がかかるのでしょうか?

先ほど上で書いた通り、返済額の見直しがあった場合には上限が定められている(一般的な変動金利型の住宅ローンの場合)のです。その上限が1.25倍となっています。

つまり、金利の上昇が(極端な例ですが)1.5倍とか2倍になっても、返済額が1.25倍になるように調整されます。毎月の返済額が10万円だったとすると12万5千円になるということです。

それでも、家計を圧迫することには間違いないでしょう。
さらに、1.25倍を超えた部分(先ほどの例だと12万5千円を超える部分)については、支払いを免除されることはありません。次回以降に返済額が調整されます。

また、極端な例ですが、住宅ローンが完済するまで(30年とか35年とか)金利が上昇し続けたりした場合には、1.25倍を超え続けるような返済額が続けは、住宅ローンの元金が完済してもその後も金利だけ払い続ける可能性もあります。

つまり、1.25倍を超え、次回見直しとなっても、また1.25倍を超えてしまって、返済の見直しが繰り延べられ続けると元金は返済しても繰り延べた利息だけが残って払い続けるかもしれないということです。(極端な例であまり現実的ではないかもしれませんが、仕組み上そういうものだということで書いています。)

そして、この1.25倍ルールは変動金利の時の返済額の見直しルールですから、選択型で固定金利を選択していてそれが終了する(例えば3年固定金利、5年固定金利、10年固定金利とか・・・)が終了して変動金利に戻る場合には、元々の基本契約(変動金利)に戻るため、そのタイミングでは1.25倍のルールは適用がありません。返済額が急に増えることもあり得るのです。

なぜ今まで金利上昇があまり問題にならなかったのか

今まで政府の低金利政策(マイナス金利政策)により住宅ローンの金利水準も低いままに推移してきました。今回政府の長期金利引き上げにより、その政策も終了したとの見方がでてきているのです。実際に物価も上昇し始めているので、長かった低金利トレンドが変わりつつあるという事なのです。

つまり、今までは変動金利と言っても低金利政策で金利がほとんど動かなかったので、返済額を見直すサイクルがやってきても返済額が変わらない状況になっていたのです。それがいよいよ変化してきているのです。

そして、実際の家計はどうなる・・・

物価の上昇に伴い、従業員の給与も上昇すればいいのですが、それには少し時間がかかりそうです。一部の企業では物価上昇による手当金として一時金を支給し始めている企業もありますが、まだまだ少ないのが実状です。

コロナ禍で今もダメージを受けている企業がたくさんあります。
そのダメージが回復してから、従業員の給与を増やすことになるため、物価上昇に対して給与の上昇が追いつかない状態がしばらく続く事でしょう。

そうなれば、じわじわと家計を圧迫することになります。
返済額に余裕をみて組んだ住宅ローンであればいいのですが、「いい家に住みたい」「一生の買い物だから・・・」と借入ができる限度一杯に住宅ローンを組んでしまっていたら、今後は返済額が増えることで家計が厳しくなっていく事でしょう・・・

住宅ローンを組んでも年数が経てば、その分年収も増加してる・・・という状態が理想なのですが、残念ながら日本の給与水準は低迷を続けOECD主要国で賃金下位の水準で世界に置いていかれた状態になっています。
 → グラフ参照

ライフイベントによる必要資金の発生

住宅ローンを組んで家を購入した後、子供の成長に伴って学費が必要だったり、車の買い替え、家の修理、子供の結婚など大きな出費はいろいろ発生してきます。
手元資金があればいいのですが、住宅ローンの支払いが増えたために家計が苦しくなれば、ライフイベントも借入に頼らざるを得ないことになります。一時的には支払いに対応できますが、その返済がさらに苦しくなってしまうことになります。

実際に家計が苦しく、習い事や旅行にも出掛けられない世帯も増えてきています。

習い事や旅行「何もない」3割 低所得世帯の小学生
低所得世帯の小学生の約3割が、この1年間で習い事や旅行など学校外での体験活動を何もしていなかった・・・

JIJI.COMより

金利上昇への対応策は?

すぐには給与が上昇しないのであれば、支払を減らすしか方法はありません。
むしろ自分でできる事として、積極的に見直しをしておかないといけません。
なぜなら、見直しをしてもその効果がで出てくるには少し時間がかかります。
ですから家計が苦しくなってからでは遅いのです。
でも、給料水準が見直されることを待つよりも自分で家計を見直すことの方が、確実なのです。

実際、何を見直せばいいのか?

見直しをして効果的なものを考えてみると・・・

  • 住宅ローン
  • その他 ローン
  • 光熱費(電気・ガス・水道など)
  • 携帯電話料金・インターネット代

この他にも色々と考えられますが、やはりなんと言っても住宅ローンを見直す事が重要です。
なぜなら、住宅ローンは高額で長期の借金なので、金利を見直すことが、一番効果が高いのです。

住宅ローンの借り換えについては以下のページを参照してみてください。

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