FPの眼

ファイナンシャルプランナー技能士

元銀行員の融資課長からファイナンシャルプランナーへ。銀行員時代には、企業融資から住宅ローンの業務など幅広く融資業務を担当。借入の相談〜返済の対応、返済が苦しくなった人の対応や残念ながら代位弁済になってしまった人の対応などを経験。

このブログを開設したきっかけ

〜 これから住宅ローンを組む人、すでに住宅ローンを組んだ人に知っておいてほしい事を書いていきます 〜

日本のお金の環境

現在の日本の景気は低迷が続いています。貯蓄率が高い高齢者と比べて、働き盛りの層はほとんど貯蓄がなく、借入に頼ってしまう傾向があります。そのような環境の中で、負担の大きな借入をしてしまい苦しい生活を送ってしまう人が少なくありません。

自己責任というカンタンな言葉の裏にあるもの・・・

借入や返済はもちろん自己責任なのですが、残念ながら日本ではお金の使い方については、しっかりとした教育を受けていないのです。義務教育(小学校〜高校)でも、お金の仕組みや経済の仕組みを学ぶ事はあっても、お金の使い方や借金の仕組み、多重債務の怖さを学ぶ事はほとんどありません。そして大学でも、経営学や経済学、法律などを学んでも、特別なコースや授業を選択しない限り自分のファイナンシャルプランニングを学ぶ事もありません。

法人であれば、税理士や会計士の先生から、会社の運営について様々なアドバイスを受け効果的なお金の使い方の指導を受けたり、相談ができる環境にあります。

しかし、残念ながら個人レベルではほとんどの人が、お金の使い方の指導を受けたり、相談ができたりする環境があまりないのです。

つまり、今までしっかり学んだことがない事について「自己責任」を求められているのです。

住宅ローンに関して、いろいろな経験をしました

総務省統計局の家計調査(2017年)によると30才代で持ち家率は約63%、50代では約87%となっています。

その30代では持ち家の約74%が、50代では持ち家の約44%が住宅ローンを組んでいます。そして70才以上で約10%が住宅ローンを残したままになっています。

高齢でも貯蓄や年金が豊富にあればいいのですが、中にはもらえる年金もローンの返済で手元に残らない人もいます。

上にも書いた通り、借金について学んだ経験がほとんどないのです。

住宅ローンは高額な、しかも長期の借金です。

「どうやって住宅ローンを組んだらいいのか」「借入や返済について相談できる人がいません・・・」など住宅ローンにまつわる借入の相談にアドバイスして感謝されたことはもちろん沢山ある一方で・・・

既に借りている人の相談では「もう10年ほど払ってきたけど、返済がつらいです」「最初は良かったけど、こんなに借りるんじゃなかった」「夫が病気になりました」など・・・

「突然の出来事」や『なぜ、最初にこんなに借入をしたのだろう?』と思ってしまうような案件もありました。

やはりお金に対する考え方や知識、自分の基準が十分でないために、他人に勧められたままや「なんとかなるだろうと」勢いで高額の住宅ローンを組んでしまい返済がつらくなり、自宅を手放さないといけなくなったのでした。

そのような例を見てきたからこそ、お金について考えるきっかけとなればと思いブログを書いています。